初恋のバレンタイン

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高校1年生の冬です。
6年経った今でも鮮明に覚えています。
初めての恋。
初めての告白。
寒い冬のバレンタインでした。
いつもは部活ばかりでジャージ姿。
その日だけは、買ったばかりのコートを着て
お気に入りのブーツを履いて、
めいいっぱいのおしゃれをして。
生まれて初めて、誰か一人のために作ったチョコレート。
お母さんに手伝ってもらいながら一生懸命に作ったブラウニー。
駐輪場で彼の部活が終わるのを待っていました。
私の部活がない金曜日。
2階の窓から、彼がサッカーをしているところを眺めるのが
一週間で最後の楽しみでした。
どんな試合の前よりも緊張したことを覚えています。
寒いはずなのに顔は真っ赤だ、と友達に笑われました。
必死でした。
彼を好きになったのは、ひたむきに頑張る姿を見てからでした。
文化祭の係りが同じになり、
女の子と話すことが苦手な彼と、自分だけ少し距離が縮まったような…
授業中に疲れて居眠りをしている後ろ姿、
友達とふざけている時の子供のようなはしゃぎ方。
全部大好きでした。
「すきです」
たくさん好きなところはありました。
それは言い表せないほどの。
それでも、私が彼にチョコレートを渡すときに言えた一言は
たったそれだけでした。
たったのそれだけ。
ありがとう、と言う彼の声だけしか聞こえませんでした。
恥ずかしくて顔など上げられません。
ごめんけど、と言われたのは
その告白から10日後くらいのことでした。
笑ってそっか、としか言えませんでした。
初めての恋。
初めての告白。
ーー初めての失恋。
それでもお返しにもらったホワイトデーのクッキーをいれてある
可愛らしい小さな箱は、いまでも私のお守りです。
緑色の、ペン立てになっています。
昔を思い出していたら、離れた土地が恋しくなってきました。
友人、先生、先輩、、そして。
いま、あなたは何をしていますか?

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